ルシアン・フロイド
Lucian Freud
1922年-2011年
ルシアン・フロイドはイギリスの画家です。ドイツ・ベルリンで生まれ父親は建築家のエルンスト・L・フロイト、祖父は精神科医で精神分析学の創始者ジークムント・フロイトです。
色彩は控えめながら厚塗りの絵具、しっかりとした筆跡を感じさせる素描で描かれた独特の生々しさ、濃厚さの漂う肖像画で知られ「イギリスを代表する具象画家」と称されています。初期の作品はドイツ表現主義やシュルレアリスムに因んだ印象でしたが、1950年代頃から次第にリアリズムに向かってゆきます。彼が描くのは身近な人物が多く、家族や友達、恋人や子供を多く描いています。同じく芸術家であるフランシス・ベーコンやデイヴィッド・ホックニーも彼のモデルになっています。
2005年には妊娠中のケイト・モスのヌードを描いた肖像画『Naked Portrait 2002』が390万ポンド(約7億7千万円)で落札され話題となり、2008年にはカウチに横たわる大きくふくよかなヌードを描いた作品『Benefits Supervisor Sleeping』(モデルは“ビッグ・スー”としても知られるスー・ティリー)がニューヨークのクリスティーズで3360万ドル(約35億3千万円)で落札され 存命する芸術家の絵画作品の販売価格として世界記録となりました。ルシアン・フロイドの作品の売却額は合計すると天文学的な数字になるとも言われています。