マッジ・ギル
Madge Gill
1882年−1961年
マッジ・ギルは、1882年にイギリスで生まれたアウトサイダー・アーティストの第一人者です。私生児だったため幼児期は人里離れたところで暮らし、その後孤児院に収容されます。19歳になると叔母の元での生活をはじめ、25歳で結婚。3人の子供をもうけた後死産を経験し、自身も危篤状態に陥り数ヶ月の寝たきり生活の後片目を失明します。快復後は取り憑かれたようにドローイングに熱情を傾け、一晩に何十もの作品を仕上げるほどの集中力で、以後40年に渡りハガキ大から40メートル近い大きなものまで、数千点もの作品を制作しています。
多くの作品に登場する「手の込んだ模様のドレスを着た若い女性」は、亡くなった娘、あるいはギル自身を表象していると考えられ、彼女の作品の代名詞ともなっています。無表情でこちらを見つめる女性が纏うドレスの模様が、背景の幾何学的な市松模様と有機的な装飾に織り込まれるように描かれているのが特徴です。ギルは滅多に展覧会を開くことなく、作品を売りに出すこともありませんでした。死後自宅で発見された何千点もの作品は現在、ロンドンのニューアム自治区で保管されています。
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http://madgegill.com/