モホリ=ナジ・ラースロー(本名:ヴェイス・ラースロー(Weisz László ))はハンガリー生まれ、構成主義の美術家で写真家、タイポ・グラファー、美術教育家として知られています。彼の活動は20世紀美術に「新しい視覚(ニュー・ヴィジョン)」をもたらし メディア・アートの先駆者として高く評価されています。
モホリ=ナジは20世紀前半の前衛芸術運動に参加し 伝統やジャンルに拘らず、芸術とテクノロジーを融合すべく実験を繰り返しました。そして「光と運動による造形」という創作理念を確立し、ヨーロッパ―からアメリカへ移り住みながら多様な造形・教育活動を行いました。感光紙に物を置き、光を当て 写真と彫刻の概念上のハイブリットである残留画像を作り出したモホリ=ナジは、このように説明しました。
「ある空間と時間を構成する魔法の可能性が、私を写真に導いたのです」
「時の流れの中で三次元の要素を記録し、二次元のイメージに固定するこのプロセスは 写真の要素のための新しいコンテクストを作り出します」
モホリ=ナジは1895年7月20日、ハンガリー、バーチ・キシュクン県のバーチボルショード村に生まれました。ブダペスト大学で法律を学び、第一次世界大戦に出征し 負傷して帰還しました。その後ハンガリーの画家ロベール・ベレニーの私立学校で学びました。その後ドイツのバウハウスで教鞭を執り、のちにシカゴに設立された「ニュー・バウハウス」の校長を務めました。タイポ・グラフィー、絵画、彫刻、デザインや版画にも精通しマルチに活躍した芸術家であり教育者としても名を馳せたモホリ=ナジ。彼の芸術理論や哲学、洗練された作品は色褪せることなく多くの人を魅了し インスピレーションを与え続けています。
現在、ハンガリーには彼の名前を冠した国立モホリ=ナジ芸術大学(Moholy-Nagy Művészeti Egyetem )があります。彼の作品はシカゴ美術館、ボストン美術館、ロンドンのテートギャラリー、ウィーンのアルベルティーナ美術館、ナショナル・ギャラリー・オブ・アート、ニューヨーク近代美術館、イエール大学アート・ギャラリー、東京都美術館など世界各国の主要な機関でコレクションされています。
▼モホリ=ナジ財団の公式サイトはこちらから
https://moholy-nagy.org/