モーリス・ド・ヴラマンク
Maurice de Vlaminck
1876年−1958年
モーリス・ド・ヴラマンクは、1876年にパリに生まれた画家です。根っからの自由人で束縛や服従を極端に嫌い、自分の才能以外の何ものも信じず、当然のことながら絵画もほとんど独学でした。そんな彼を変えたのが、1900年のアンドレ・ドランとの出会いでした。二人は意気投合し、共同でアトリエを構えます。その翌年、ゴッホ回顧展でドランの紹介によりアンリ・マティスと親交を持ち、フォーヴィスム運動を率いた重要人物である3人が知り合うこととなったのです。自由主義でありながらもゴッホには少なからず影響を受けていると本人も語っている通り、チューブから絞り出した原色を大胆に塗りつけながら陰鬱さもただよう初期作品からそのことがうかがえます。
フォーヴィスムは長く続かず、3人はそれぞれ異なった道へと進み始め、ヴラマンクは荒々しいタッチで茶と白を基調とし、重厚に画面を塗る独自のスタイルへと変化していきます。理論的な流派を毛嫌いし、やはり最後まで本能の赴くまま自分の感性に従って描くことを目指したのです。多くの日本人画家たちにも影響を与えており、日本でも人気の高い画家でもあります。