ジャン=エミール・ラブルール
Jean Émile Laboureur
1877年−1943年
ジャン=エミール・ラブルールは1877年、フランス西部のナントに生まれた版画家です。18歳でパリに出て、アカデミー・ジュリアンに入学すると、オーギュスト・ルペーレに木版を学び、翌年初めて作品を発表します。その頃出会ったのがラブルールに大きな影響を与えたアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックやマリー・ローランサンです。各国を旅した後1912年にパリに戻ると、エッチングでキュビスムに影響を受けた作品を発表します。この頃のラブルールのデッサンは同時代に大きな影響を与え、近代芸術のムーヴメントにおいて重要なものと考えられています。
1916年頃からは銅版画を学び、ビュランの固い線の中に知的な優美さを含む独自の画風を確立します。エングレーヴィング、エッチング、アクアチントなど、多様な技法で都会の風景や人間像をスタイリッシュに描き出すラブルールの作品は大変評価が高く、ルーヴル美術館のカルコグラフィーにもなっています。また「ドリアン・グレイの肖像」など多くの文学作品の挿絵も手掛けています。