朴栖甫(パク・ソボ)
Park Seo-bo
1931年−
パク・ソボは1931年、韓国のイェチョンに生まれた画家で、韓国現代美術のモダニズム形式主義と抽象美術の発展において先駆的な役割を果たし、その変遷を導いた韓国の現代美術史上最も影響力のある人物のひとりです。ソボは1954年に弘益大学を卒業すると1961年パリに渡り、1年超現地に滞在します。パリでの生活はソボの芸術的傾向に大きな影響を与え、アンフォルメルからモノクロームの線画や韓紙の質感を活かした独自の作風へと変化していきます。
ソボは1970年代初頭に韓国で登場した単色画「ダンセッファ」の父としても知られています。ダンセッファは極限までそぎ落とされたミニマルな美しさと繊細な息づかいを特徴とした絵画で、70年代から90年代にかけて日本でも盛んに紹介され、ダンセッファの発展を担った画家たちは日韓のアートシーンの活発な交流をもたらしました。2015年にヴェネツィアで単色画の大規模な展覧会が開催されたことをきっかけに近年その再評価が急速に進み、中でもダンセッファは世界的なブームと言えるほど注目を集めています。その中核となるのがソボの作品です。欧米文化の受容から韓国独自のアイデンティティを探求する中で獲得された、静謐さと洗練をあわせ持つソボの作品は、「表現とは何か」というシンプルで奥深い問いを投げかけているかのようです。
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http://seobo.org/