金子國義
Kuniyoshi Kaneko
1936年−2015年
金子國義は1936年、埼玉県蕨市に生まれた油彩画家です。幼少のころは図画工作に秀で、高校時代に西洋の文化や芸術に触れる中でコスチューム・ファッションの魅力に心を動かされてスタイル画に熱中します。1959年日大藝術学部に進学し、在学中は歌舞伎台美術家の長坂元弘に師事します。1964年から独学で油絵を描き始め、翌年に出会った澁澤龍彦の依頼で「O嬢の物語」の装幀と挿絵を担当します。その翌年の1967年、澁澤の紹介により銀座の画廊で初の個展を開催し画壇デビューを果たし、そこから金子の画家としての人生が始まりました。いくつかの個展を開催し成功を収めるうちその作品がイタリアの画廊主の目に留まり、1971年にはミラノでの個展の開催に至ります。これをきっかけに「不思議の国のアリス」シリーズが誕生し、転機を迎えます。
型にはまることなく美徳と悪魔、聖と邪を危ういバランスで優美な作品に昇華し到達させ、善悪の狭間に人間本来の美しさを見出したその表現は、日本どころか世界をも巻き込みました。絵画のみならず着物のデザイン、写真など多岐にわたる活動は晩年も衰えることなく、日本の前衛芸術を切り拓いた時代の寵児らとともに高度成長時代を駆け抜けた活躍ぶりは没後に至っても人々を魅了し、金子は本来の意味でのアヴァンギャルドであり続けています。
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https://www.kuniyoshikaneko.com/