ザハ・ハディッド
Zaha Hadid
1950年−2016年
ザハ・ハディッドは1950年、イラクの首都バグダッドに生まれ、イギリスを拠点に活動した建築家です。1972年に渡英し、ロンドンの英国建築協会付属建築専門大学で建築を学び、卒業後は設計会社勤務を経て自身の事務所を構えます。その名が知られるようになったのは1983年。香港のビクトリア・ピークに建設が予定されていた「ザ・ピーク」の建築設計コンペで1位となったことです。建築は実現しなかったものの、5年間温め続けてきたアイデアを凝縮したという過激な設計案は、建築界に衝撃を与えました。その後も東京のビル2件も含め実現しないプロジェクトが続き「アンビルトの女王」と言われましたが、1994年にドイツの「ヴィトラ社消防署」の建設を皮切りに、大型建築が相次いで実現しました。幾何学的な曲線や直線、そして鋭角が織りなす流動的でダイナミックな外観で幻想的な風景を創りだすハディッド流建築が見直され、クライアントが急増したのです。
2004年には「建築のノーベル賞」と言われるプリツカー賞を女性で初めて受賞し、世界で最も注目される建築家の一人となりました。2012年には日本の国立競技場のコンペで最優秀賞を受賞したものの、外観を損なうとされるほどの大きさと莫大な建築費で、建設計画は白紙となってしまいました。3次元CADを駆使して従来にない曲線的で近未来的なデザインを実現し、やっと時代がハディッドのデザインに追いついてきたかと思われた最中の2016年、残念ながら66歳で急逝してしまいました。
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https://www.zaha-hadid.com/