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ARTIST/ART

リチャード・ハンブルトン
Richard Hambleton
1952年-2017年

リチャード・ハンブルトンは『Shadowman(シャドウマン)』というミステリアスな黒いシルエットの人物をモチーフにしたことで知られ「ストリートアートのゴッドファーザー」とも呼ばれるグラフィティアーティストです。同時代のキース・ヘリングやジャン=ミシェル・バスキアらと共にニューヨークのストリートに描き1980年代のアートムーブメントで成功を収めました。

   『私は街を黒く塗りました』

   『彼らは 見張り人であり 危険そのものでもあり、核による大虐殺で壁に残された人体の影であり 私自身の影でもあります』

ハンブルトンは1952年にカナダのバンクーバーで生まれ、1975年にエミリー・カー美術大学を卒業後、バンクーバーに「Pumps Centre」というギャラリーを設立しました。彼の初期の作品『Image Mass Murder(大量殺人のイメージ)』シリーズは 道路や歩道に殺人犠牲者(友人たちのボランティア)の遺体の輪郭を描き、赤いペンキを飛ばした架空の殺人現場を思わせる作品を描きました。このシリーズはアメリカとカナダ15の主要都市の路上で行われ、通行人に衝撃的な驚きをもたらしました。1979年彼はニューヨークに移住し、徐々にシャドウマンが人々の注目を集め始めます。80年代中頃にはヨーロッパにも活動を広げパリやロンドン、ローマやベネチアにシャドウマンを描き1984年にはベルリンの壁の東側に17体の等身大のシャドウマンを描きました。1984年と1988年にはベネチアビエンナーレに出展しました。その後ハンブルトンはストリートからスタジオでの絵画制作に移行してゆきました。

エイズなどで多くの友人を亡くし、アート界に幻滅した彼は自らもヘロイン依存に苦しみ90年代には表舞台から姿を消しました。2009年『リチャード・ハンブルトン - ニューヨーク』と題された彼の40年のキャリアに関する展覧会が開催され 再び彼は脚光を浴び、レジェンドとして復活しました。2017年には その波乱万丈な人生を追ったドキュメンタリー映画『Shadowman』がトライベッカ映画祭を皮切りに上映され話題を呼びました。
バスキアやヘリングなど同時代を生きたアーティスト達はハンブルトンを尊敬し、バスキアは彼の作品をコレクションしていたといいます。彼の独創性と革新性は今でも、バンクシーやブレック・ル・ラットなど多くの若きアーティスト達に多大な影響を与えています。ハンブルトンは2017年10月ニューヨークにて65歳で亡くなりました。

ハンブルトンの作品は ブルックリン美術館、ピッツバーグのアンディ・ウォーホル美術館、ニューヨーク近代美術館、ハーバード大学美術館などのコレクションに収蔵されています

▼公式サイトはこちらから
https://www.richardhambletonofficial.com/

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