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ARTIST/ART

ルイーズ・ブルジョワ
Louise Bourgeois
1911年−2010年

ルイーズ・ブルジョアは、1911年にパリで生まれたアーティストです。ソルボンヌ大学で数学を学ぶも美術の道を志し、その後エコール・デ・ボザールに進んで、フェルナン・レジェらフランスの巨匠のもとに絵画や版画を学びます。1938年、ニューヨークに渡ってからは、自らの感覚が絵画より立体に適していると感じ、彫刻作品の制作を始めます。初期作品はトーテムのような柱状のものでしたが、次第に変貌を遂げ、子供の頃父に虐げられた記憶やその父との確執、セクシュアリティ、愛着や憎悪など心理的な分析をモチーフに、時にグロテスクにも見える独特な形状の作品を展開していきます。ブルジョアの制作活動は一貫して少女時代に受けた心の傷を癒すための行為だったのです。

1982年、71歳になって初めてMoMAを会場に回顧展が開かれ、これを機に評価が国際的に広がっていきます。90年代に入って制作を始めたのが、母親への憧憬の念が込められた巨大なクモの彫刻「ママン」です。この作品は世界9ヶ所にあり、高さ10メートルを超えるこの作品のひとつは六本木ヒルズの屋外広場に展示されています。1999年にはヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞します。この時すでに88歳。敬服すべき活躍ぶりです。

 

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