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ARTIST/ART

ウジェーヌ・アジェ
Eugène Atget
1857年-1927年

ウジェーヌ・アジェは 衰退する19世紀末のパリで 急速に姿を消しつつあった建物や街路などを撮影したフランス人写真家です。
彼の写真の多くは夜明けに撮影されたものですが、その拡散する光と広い視野は 空間と雰囲気を感じさせてくれます。彼の撮影した多くの地域は 大規模な近代化事業の一環として まもなく取り壊されました。

率直ながら哀愁漂う彼の写真は マン・レイやアンリ・マティス、パブロ・ピカソをはじめ多くの芸術家たちを魅了しました。マン・レイはシュールレアリスムの雑誌『la Révolution surréaliste』の表紙にアジェの写真を起用したこともあります。写真家のベレニス・アボットはアジェのプリントとネガを保存し、フランス国外で初めてアジェの作品を展示しました。

『20年以上もの間 私は仕事として、また自発的に、古きパリのすべての通りから    古いホテル、歴史的な あるいは興味深い家屋、
   美しいファサード、美しいドア、美しい木工細工、ドア・ノッカー、古い噴 水・・・などを集めてきました』

『この膨大な芸術的、記録的コレクションは 今日完成しました   
             私は古きパリのすべてを所有していると言えるでしょう』

アジェは1857年フランス、リブルヌに生まれ 5歳のときに孤児となり、主に祖父母によって育てられました。彼はパリの演劇学校で短期間学び、市内で旅役者として活動した後 商業写真家としてのキャリアをスタートさせました。アジェのクライアントは主に 画家や彫刻家や舞台デザイナーで、建築の細部や出入り口、骨董品などの画像を制作し提供していました。彼は生涯ほとんど人物を撮ることはなく 代わりに廃れた庭園や人影のない中庭を被写体として パリ中を歩き回りました。

アジェは1927年パリで亡くなりました。
現在彼の写真は ロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館、パリのオルセー美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館などのコレクションに収蔵されています。

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