塩田千春
Chiharu Shiota
1972年−
塩田千春は1972年に大阪で生まれたアーティストです。京都精華大学に学び、オーストラリアとドイツ留学を経て、現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動しています。生と死など人間の根源的な問題に向き合い、「生きること、そして存在とは何か?」を探求しつつ、物や場所に宿る記憶といった形のないものを表現した作品で知られています。立体、写真、映像など多様な手法を用い、特に空間芸術として広い屋内の空間全体を使った大規模なインスタレーションを得意としています。中でもスーツケース、ピアノ、鉄のフレームで作られた舟などのオブジェクトに、赤や黒の毛糸を結びつけて空間全体に無数に張り巡らせ、その空間で作品を眺める観客の人影までが混然となり完成する一枚の絵のような作品は、塩田の代表的なシリーズとなっています。
2008年には芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞し、2015年にはヴェネツィア・ビエンナーレの日本館代表作家に選ばれるなど、個人的な体験を出発点にしながら、アイデンティティ、境界、存在などといった普遍的な概念を問う作品は、世界中の人々を惹きつけています。2019年に森美術館で開催された過去最大の個展には、予想の3倍に当たる66万6千人もの人が訪れ、美術館歴代2位の入場者数を記録しました。
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https://www.chiharu-shiota.com/top-japanese