羅氏兄弟(ルオ・ブラザーズ)
The Luo Brothers
Luo Wei Dong 羅衛東 (1963−), Luo Wei Bing 羅衛國 (1964−), Luo Wei Guo 羅衛國 (1972−)
ルオ・ブラザーズは中国の南寧市出身の3兄弟からなるアーティスト・ユニットで、現在は北京を拠点に活動しています。それぞれ美術学校を卒業後1996年から共同制作を始め、お祭りの時にレストランや街中に飾られる赤い提灯や明るいライト、そして繁栄と成功をもたらすと言われる太った赤ちゃんの絵をモチーフに、漆塗りの樹脂やグラスファイバー、紙、木版などの素材を使って、東洋的な自然の側面から象徴的な作品を作ることで知られています。
代表作である「歓迎世界名牌(Welcome, Welcome)」シリーズは、中国の新年を祝う際家に飾られる伝統的な吉祥の図柄の民衆絵画をもとに、コカ・コーラやファストフードチェーンなど、急速に普及し現代の中国社会を構成する西洋文化のロゴやグラフィックを組み合わせ、中国社会を現在の状態に追い込んだ高揚感とエネルギーを照らし出すとともに、現代中国の消費社会を風刺しています。世界の他国にも同じような現象はありましたが、中国の場合その変化があまりにも急速で、毛沢東の没後30年の間に一様に色のない社会から、日々色や光に覆われた騒々しい社会へとあっという間に変わって行きました。ルオ・ブラザーズの作品はこの爆発的な活力をうまく反映して制作されており、文化大革命の時代には政治経済や平和に対するスローガン付きで大衆へのプロパガンダとして利用されました。現在その作品はデンバー美術館やサンフランシスコ近代美術館、日本では福岡市美術館などに収蔵されています。