ピエール・ガーリッシュは機能的で量産された作品を得意とするフランスのデザイナーでありインテリア・デコレーター、建築家です。
ガーリッシュは1926年フランスのパリに生まれ、パリ国立装飾芸術大学でルネ・ガブリエルのもとで学び、1949年に卒業しました。その後マルセル・ガスコアンのアトリエで働き、1929年にロベール・マレ=ステヴァンスにより設立された 進歩的なデザインの原則を推進するための団体UAM(Union des Artistes Moderns)に参加しました。UAMを通じて彼は 素材や形を研究し、the Salon des Arts MénagersやSalon des Artistes Décorateursで作品を展示することができるようになりました。
ガーリッシュの作品はすぐに注目されGalerie MAIやDisderot 社、新たに設立されたブランドAirborneによって製作されるようになり、1951年にはPrefactoシリーズを手掛け始めました。また同年ガーリッシュはSteiner社のためのデザインを手掛け始め、有名な『チューリップチェア(1953年)』や『ヴァンパイアチェア(1954年)』、『アムステルダム・トノーチェア(1954年)』が誕生しました。1954年、友人でデザイナーのミシェル・モルティエとジョセフ・アンドレ・モットとコラボレーションしARP(Atelier de Recherche Plastique:プラスチック研究工房)を設立しました。この三人はガスコアン社での研修中に出会い、共にHuchers Minvielleなどのために 手ごろな価格でモダンな家具を制作しました。
1957年ガーリッシュはベルギーのメーカーMeuropのアーティスティック・ディレクターに就任し『マーズ(Mars:火星)・アームチェア (1965)』や『ジュピター(Jupiter:木星)・アームチェア(1966)』、『ルナ(Luna:月)・アームチェア (1967)』など、より有機的なシルエットを取り入れた作品を発表しました。1950年代後半には 彼はフランスの「ラ・プラーニュ」や「クールシュヴェル」のようなスキーリゾートなど、公共や民間の仕事に力を入れるようになりました。そして1965年にはルネ・ガブリエル賞を受賞しました。
ピエール・ガーリッシュは1995年フランスのバンドールにて亡くなりました。