ウィリー・コール
Willie Cole
1955年−
ウィリー・コールは1955年、アメリカ・ニュージャージー州に生まれたアーティストです。ポストモダンの折衷主義を背景に、アフリカ人やアフリカ系アメリカ人のイメージを取り入れたミクストメディア彫刻やパブリックアートや、アイロン、アイロン台、ハイヒール、ヘアドライヤーや廃棄された電化製品などを組み立てて、想像力豊かにそれらを芸術作品へと変換させていくことで知られています。中でも1989年に発表したスチームアイロンをモチーフにした作品は、アート界の注目を集めました。アイロンの焦げ跡を様々な媒体に刻印し、その幅広い装飾の可能性を示すだけでなく、自身がアフリカ系アメリカ人として生まれたその運命についても言及しています。またその焦げ跡を奴隷の運搬や焼印、黒人女性の家庭内での役割、そしてガーナの布のデザインやヨルバの神々との結びつきを示唆するものとしても用いました。
複数の単一素材を反復的に使うことで作られる彫刻は、超越的で比喩的な意味を含み、現代の消費文化を批判するものとなっています。アフリカ系アメリカ人のイメージからダダイズムのレディメイドやシュルレアリスムのオブジェ、アメリカのポップカルチャーのアイコンやアジアの仮面に至るまで、様々な物を参照または流用し、独創的でウィットに富んだ集合体を作り上げていくのが、コールの作品の特徴です。
▼公式サイトはこちらから
https://www.williecole.com/