ジョルジュ・スーラ
Georges Seurat
1859年−1891年
ジョルジュ・スーラは1891年、フランス・パリに生まれた画家で、新印象派運動の創始者のひとりです。また、「点描画法」の生みの親であり、当時出版された光学理論や色彩理論の研究に基づいて、原色とその補色を並べた点描で、色彩をより鮮やかに、よりリアルな光を再現し、日常風景の感動を描き出すことで知られています。中でも1886年に2年の歳月を経て完成させた作品「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は、パリ近郊のセーヌ川の中州で夏の一日を過ごす人々を描いたもので、新印象派、ポスト印象派の時代のフランス絵画を代表する作品とされています。完成までに何度も公園に通っては風景や人物を観察し、完璧な形を求めてデッサンや油彩によるスケッチを繰り返し描き、数多くの習作も残しています。
スーラは最後の作品「サーカス」が未完のまま31歳で夭逝しますが、その短い制作期間に比較的大きな作品を6点残しています。また、生涯における作品数は、大作を仕上げるまでに縦16cm、横25cmほどの板に下絵として描いた油彩「クロクトン」を約170点、そのほか油彩や素描を300点ほど残すのみとなっています。現在、彼の作品はロンドンのナショナル・ギャラリー、ニューヨーク近代美術館、パリのオルセー美術館などに所蔵されています。