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ARTIST/ART

ダイアン・アーバス
Diane Arbus
1923年-1971年

ダイアン・アーバスは モノクロの私的なポートレートで知られるアメリカの写真家です。
アーバスは 精神障害者やトランスジェンダー、ヌーディストやカーニバル・パフォーマーなど 社会の片隅にいる人々をよく撮影しました。彼女の最もよく知られる双子の少女を写した作品『Identical Twins, Roselle, New Jersey(一卵性双生児,ニュージャージー州ローゼル)』(1967年)は、双子の姉妹の根本的な違いと身体的な類似性を同時に捉えています。彼女はアイデンティティの問題を探ることに関心を持っていました。

    「写真とは 秘密についての秘密であり、    伝えれば伝えるほど わからなくなる」

アーバスは1923年、ニューヨークの五番街でデパートを経営していた裕福なユダヤ系アメリカ人家庭に生まれ育ちました。18歳で、俳優で写真家のアラン・アーバスと結婚し、1941年にアランと共にアルフレッド・スティーグリッツのギャラリーを訪れ、ウジェーヌ・アジェやポール・ストランド、マシュー・ブレイディらの写真に出会いました。1940年代半ばには、夫婦は商業写真の事業を始めヴォーグやハーパーズバザーに貢献しました。1955~57年にはアーバスは写真家リゼット・モデルに師事し、商業写真とは違った新たな手法を発展させました。
その後 商業的な仕事に疲れ果てたアーバスはカメラを持ってニューヨークの街を歩き回り、そこに暮らす人々を通してニューヨークの様子を記録しました。これらの写真は後に、ニューヨーク近代美術館で開催された『New Documents』(1967)展でゲイリー・ウィノグランドやリー・フリードランダーらの写真と並び展示されました。そしてこれが彼女の国際的な写真家として実質的なデビューとなりました。

しかしその後、1971年うつ病に悩まされていたアーバスは48歳で自ら命を絶ちました。彼女の亡くなった翌年の1972年ニューヨーク近代美術館ではアーバスの初の大規模な回顧展が開催されました。また同年 彼女の作品はヴェネツィア・ビエンナーレにアメリカ人写真家として初めて出品されました。
2003年にはサンフランシスコ近代美術館で、2011年にはパリのジュ・ド・ポーム国立美術館でアーバスの大規模な回顧展が開催され、2007年にはメトロポリタン美術館がアーバスのエステートから全アーカイブを取得しました。2016年にはニューヨークのメット・ブロイヤー(美術館)で1956年から1962年までの未公開の初期写真を中心とした画期的な展覧会が催されるなど、今なお彼女の作品は数多くの機関で取り上げられています。

アーバスの作品は現在ニューヨークのメトロポリタン美術館、ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー、ロサンゼルス・カウンティ美術館、パリのポンピドゥー・センター、カナダのオンタリオ美術館、スイス・ヴィンタートゥールのフォトミュージアムなどのコレクションに含まれています。

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