レイ・ジョンソンはメール・アートのパイオニア、「コレスポンデンス・アート」という革新的な手法で知られるアメリカのアーティストです。彼はかつて「ニューヨークで最も有名な無名のアーティスト」と呼ばれていました。
コラージュをベースにした彼の作品は 写真、ドローイング、パフォーマンス、テキストを地理的に離れた場所から郵便で送るという方法で組み合わせたものです。ジョンソンのプロジェクトには、対人関係や精神的な混乱を扱った、複雑に練られたコンセプチュアルなパフォーマンスが含まれています。
「私は 崩壊するものやバラバラになるもの、成長したり増えたりするもの、ものから生まれるもの、
実際に自分の身に起こることのプロセス などに興味があるのです」
ジョンソンは1927年ミシガン州デトロイトに生まれました。若い頃にはデトロイト美術館で時々受講したり、ミシガン州ソーガタックのオックスボウ美術学校で夏を過ごしたりしました。1945年にはデトロイトを離れ、ノース・カロライナ州の先進的なブラック・マウンテン・カレッジに入学し、ヨゼフ・アルバースやジェイコブ・ローレンス、ジョン・ケージ、ウィレム・デ・クーニングなど多くのアーティストのもとで学びました。その後1949年にニューヨークに移ったジョンソンは、ロバート・ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズらと親交を深め、独特のポップアートを展開しました。その後の数十年間、ジョンソンはパフォーマンスや禅の思想に傾倒し、自身の人生と芸術活動を密接に結びつけてゆきました。
1995年ジョンソンはニューヨークのサッグ・ハーバーの橋から車で転落し、海に向かって泳ぎ、自らの命を絶ちました。
2002年、彼の人生を描いたドキュメンタリー映画「How to Draw a Bunny」が公開され好評を博しました。現在ジョンソンの作品は ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー、ニューヨーク近代美術館、ミネアポリスのウォーカー・アート・センター、ロサンゼルス・カウンティ美術館などに収蔵されています。
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