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ARTIST/ART

金根泰(キム・グン=タイ)
Kim Keun-Tai
1953年−

キム・グン=タイは1953年、韓国・ソウルに生まれ、ソウル中央大学校に学んだ美術家です。1980年代初頭、軍事政権に対する学生たちの強い抵抗を背景に、芸術界ではモダニズムと社会主義リアリズムが衝突していたソウルで制作活動を開始。混沌とした状況の中、芸術的実践と自己反省から道教に傾倒していたキムの創作活動は、自身の精神状態と密接に関係しており、芸術と信念の双方において禁欲主義を貫くものでした。

キムの作品は、韓国の伝統的な家屋の風化した壁や、何世代にもわたって使われてきた無地の青磁器の表面、襖に貼られた古い楮紙の質感や色などに過ぎ去った時間の痕跡を感じ取李、それらを絵画に表現することを特徴としています。薄めた石の粉を練ってキャンバスに流し傾けることで創られる作品は、素材がキムの意思に導かれながら自ら「描く」ことを可能にしています。そこには「物に語らせる」という作者の意図が表れているのです。

シンプルな作品の中に存在する複雑な技術は、多様性、純粋さ、そして力強さも秘めています。哲学的、美学的な研究を通して、常に概念的な限界を超えようとしてきたキムは、使用する素材に対しての瞑想的なアプローチと、韓国の伝統的な韓服から着想を得たアースカラーを使うことにより、印象的で示唆に富む絵画を制作しています。

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