エイミー・カトラーはニューヨーク州ポキプシー生まれのアーティストです。
まじめな顔つきの、きちんとした装いの女性キャラクターたちが、虎に縞模様を縫い付けたり、ブーツ型の木製竹馬を履いて万能薬を運んだりと、不思議な活動を一心不乱に行う様子を 非常に緻密な構図で描いた絵画やドローイング、彫刻作品などで知られています。架空の設定であるにもかかわらず、カトラー自身の経験や不安から着想を得ていることが多く、それを寓話的なシナリオに見事に変換し、感情的な深みとユーモアをもって表現しています。また、ネイチャーブックやインドネシアのデザイン、米軍のサバイバルマニュアル、ペルシャの細密画や日本の浮世絵、民族衣装のテキスタイル、15世紀のドイツ絵画など様々なビジュアルソースからもインスピレーションを得ています。
女性を題材にする傾向があることについて触れたあるインタビューで、彼女は「強くて自立している女性たちの架空のユートピアのアイデアが好きなの」と述べています。彼女の作品でしばしば描かれる、いわゆる「女の仕事」に従事する女性キャラクターたちが 雑用に従事しているという考えを彼女は持っていません。この点について質問された彼女は、こう答えています。「それは 細心の注意を払って作られたもの、つまり、特別に研ぎ澄まされた技術を持つ人々によって作られたものに 魅了されているからだと思います。…私は特に、集中力を必要とする几帳面な仕事に惹かれます…リズムと反復は、内省に適しています。」
カトラーは、1997年にクーパー・ユニオン・スクール・オブ・アートで美術学士を取得しました。そして1999年にはアーティスト・イン・レジデンスであるスコウヒガン絵画・彫刻学校に、1994年から1995年にかけてはドイツ・フランクフルトのシュテーデル美術大学にも在籍しました。彼女はこれまでに、 サイト・サンタフェ、インディアナポリス美術館、マドリッド国立ソフィア王妃芸術センター、フィラデルフィア現代美術館、グリーンズボロのウェザースプーン美術館などアメリカやヨーロッパの多くのギャラリーや美術館で個展を開催しています。またドイツ、エッセンのフォルクヴァング美術館、デンマークのブランツ美術館、ニューヨークのブルックリン美術館、ヘルシンキ現代美術館、MoMA PS1、ホイットニー美術館、そして近年ではウィーンのアルベルティーナ美術館など 世界各地の美術館でグループ展や大規模な調査に参加しています。
彼女の作品はニューヨーク近代美術館、マドリッド国立ソフィア美術館、ニューヨーク・ホイットニー美術館、ミネアポリスのウォーカー・アート・センター、ニューヨーク・メトロポリタン美術館、ロサンゼルスのハマー美術館、モーガン図書館 & 博物館、ボストン美術館などのプライベート及びパブリック・コレクションに収蔵されています。
エイミー・カトラーは現在ニューヨークのブルックリンを拠点に活動しています。