エリザベス・フリンクはイギリスの彫刻家であり版画家で、自然主義的な形態や題材にこだわっていたことで知られています。彼女は生涯アルベルト・ジャコメッティの作品に関心を持ち、人間や鳥、犬、猫、馬、宗教的な人物などを題材にしていました。彼女の作品の多くはワイヤーで作った骨組みの上に、壊れた石膏を何層にも重ねて作り、それをブロンズで鋳造しています。
フリンクは1930年にイギリスのサーローに生まれました。ギルドフォード・スクール・オブ・アート(現UCA芸術大学)(1946-1949年)でウィリ・ソコウプに師事し、チェルシー・スクール・オブ・アート(1949-1953年)でも学びました。22歳の時にロンドンのボザールギャラリーで初の大規模な展覧会を開催し、この時 作品「Bird(鳥)」がテート・ギャラリーに購入されました。
この他彼女の代表的な彫刻作品には、テキサス州ダラスのJFK記念館に設置された「Eagle(鷲)」、香港ランド社のための「Water Buffaloes(水牛)」、「Goggle Head(ゴーグル・ヘッド)」、リバプール大聖堂のための「Risen Christ(復活したキリスト)」などがあります。またフリンクはロンドンの出版社フォリオ・ソサエティのためにホメロスの「オデュッセイア」と「イーリアス」の挿絵や、アラステア・マカルパインとレスリー・ワディントンの出版した「イソップ童話」の挿絵なども手掛けています。
フリンクの芸術は 伝統的なやり方でありながら物議を醸す画期的なものであり、彼女は流行に左右されることなく、妥協せず完璧さを追求し続けました。1996年には芸術文化への貢献が認められ、彼女はイギリスの切手に選ばれた5人の女性のうちの1人となったのです。
「Risen Christ(復活したキリスト)」を完成させた直後の1993年4月、フリンクは癌のためイギリス、ドーセットの自宅で亡くなりました。
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https://artuk.org/discover/artworks/search/actor:frink-elisabeth-19301993