ジム・ナットは架空の女性の肖像画で知られるアメリカのアーティストです。変色した顔や奇妙な位置にある目や鼻などで構成される奇妙でありながらも生き生きとした作品は、何度も繰り返し描かれています。ナットは 妻のグラディス・ニルソンやカール・ウィルサム、クリスティーナ・ランバーグらと共に 1960年代後半にシカゴ・イマジストと呼ばれるグループを結成しました。
「私はあるものから始めて、それに何か別のものをくっつけようとします。
例えば、鼻に目というように。
そして その組み合わせに追加したり、2つのうちのどちらかが正しくないので変えたりする。
足し算、引き算の繰り返しです。」
ナットは1938年にマサチューセッツ州ピッツフィールドに生まれました。カンザス大学、ペンシルバニア大学、ワシントン大学などいくつかの大学で学んだナットは 初め建築学を専攻していましたが、あるデッサンの授業をきっかけに自分の転職は美術であると考えるようになりました。その後シカゴ美術館附属美術学校に入学し、この学校でナットはグラディス・ニルソンと出会い、1961年に結婚しました。ナットとニルソンは「Hairy Who(ヘアー・フー)」として知られるようになったアーティストたちと共に展覧会を開くようになり、この時期に彼は自身のキャリアを形成する発明的な題材を見つけ出しました。キャロル・ダナムをはじめとする若い世代の画家たちに影響を与えたナットの作品は、戦後のアメリカ美術の伝統的な物語の外側に存在しています。
ナットは現在シカゴを拠点に活動しています。
彼の作品は ニューヨーク近代美術館、スミソニアン・アメリカン・アート・ミュージアム、ハーバード大学美術館、シカゴ美術館、アトランタのハイ・ミュージアム・オブ・アートなどに収蔵されています。