ジャック・ヴィルグレ
Jacques Villeglé
1926年―
ジャック・ヴィルグレは 記号的文字を用いたアルファベットや、破れたり裂けたりしたポスターや広告によるコラージュ作品で知られるフランスのアーティストです。ヴィルグレの作品は 曖昧な文化的参照と文明の衰退を象徴しており、その緻密なレイヤーの表面は、流用されたイメージを通して 社会的・政治的批判を示唆しています。
「1930年代、ポスターは街角の新聞と呼ばれ 社会を映し出すものでした。
そしてその時に気づいたのは、ポスターは芸術として常に変化していくものだから
常に新しい発見があるはずだ ということでした。」
1926年にフランスのカンペールで生まれたヴィルグレは、1947年にサン・マロに滞在した際に 大西洋に面した街の壁から素材を採取し、コラージュに使い始めました。やがてヴィルグレは広告ポスターを重ねる独特の手法で、破綻し劣化した現代フランス文化の概念的な調査を展開し、ヌーヴォー・レアリスムに重要な影響を与えることとなったのです。
1954年には 詩人のフランソワ・デュフレーヌと出会い、イヴ・クラインやジャン・ティンゲリーなどの著名な芸術家や 芸術評論家のピエール・レスタニらを紹介されたことをきっかけに、ヴィルグレはウルトラ・レトリスト運動に傾倒するようになりました。1958年には 破れたポスターの作品をまとめた『Des Réalités collectives』を出版しましたが、これは彼が発足時に参加したヌーヴォー・レアリスム・グループのマニフェストの ある意味予言と言えるようなものでした。