アルジャーノン・セシル・ニュートン
Algernon Cecil Newton
1880年-1968
アルジャーノン・セシル・ニュートンは1880年、イギリス・ロンドンに生まれた風景画家です。ロンドンの様々な美術学校で学び、自然主義的で陰鬱な雰囲気を持つ都市風景を得意としており、水路のある風景を好んで描いたことから「運河のカナレット」と呼ばれています。ロンドンのほかコーンウォールやヨークシャーの風景も描き、田舎の家の「肖像画」にも需要があったといいます。
1923年にはロンドンの建築画の制作を開始し、その作品は広く知られており、代表作ともなっています。作品の多くは静まりかえった夜景であり、リアリズムを超現実的な方向に持っていくものですが、通常人物が描かれていません。そんなニュートンの作品の中で、1928年に描かれた「ホーヴの夕暮れ」は、最も多くの人が描かれているもののひとつで、夕日が遊歩道に長い影を落とし、そこを歩く人々がリズミカルに配置されています。この作品は非常に巧妙に描かれており、急速に消滅しつつある建築の貴重な記録として機能するであろうと言われています。並外れたビジョンを持つ芸術家であるニュートンは、細心の注意と詩的な神秘性をもって作品に取り組み、数々の名作を残しています。