セシリー・ブラウンは1969年にロンドンで生まれた画家です。1985年からイギリスの複数の学校で美術を学び、最終的に1993年スレード美術学校を首席で卒業。その翌年、ニューメディアに支配されるYBAが台頭し始めたロンドンのアートシーンから距離を置くため、25歳でニューヨークへ渡ります。程なくガゴシアン・ギャラリーと契約し、現在もニューヨークを拠点に活動しています。

具象画と抽象画の要素を組み合わせたブラウンの作品は、人物やヌードのセクシュアリティとエロティシズムを、深みのある色、甘美な絵の具の扱い、そして自身の原点であるアニメーションに起因するエネルギッシュな筆使いで表現し、その手法はたびたびウィレム・デ・クーニングやフランシス・ベーコンと比較されることもあります。また、似顔絵や古典的な画像など、さまざまな参考文献と視覚的要素を組み合わせたものであり、現代のポルノとオールドマスターの絵画を視覚的に結びつける明白なエロティシズムで描いています。これまでに世界中の美術館で個展を開催し、多くの著名美術館に作品が所蔵されているほか、作品は時に高値をつけアートマーケットも賑わせています。