1929年イタリア、シチリア島出身のトゥリ・シミティは、空間主義とミニマリスト集団であるグループ・ゼロに属するアーティストです。20世紀〜21世紀のイタリアン・アートの真の先駆者「マエストロ」であり、光、色、幾何学の技術者とも言われています。

彼のモノクロで主に楕円形の凹凸のあるキャンバスは、「絵画は三次元の芸術品になり得る」という、今となっては定着したアイデアの先駆けとなったフォーマリズムの一例です。柔らかな表面にたっぷりと染み込んだ絵の具、そしてそれらが作り出す絶妙な影。シミティの作品は、繊細で控え目でありながら常にダイナミックな魅力に満ち溢れています。