アリギエロ・ボエッティ
Alighiero Boetti
1940年−1994年
アリギエロ・ボエッティは、1940年にイタリアのトリノで生まれたコンセプチュアル・アーティストです。17歳の時に観たヴォルスとルーチョ・フォンタナの作品に心を動かされ、芸術家を目指します。1960年代にイタリアで始まった前衛運動「アルテ・ポーヴェラ」に参加すると、伝統的な美術素材を捨て、工業素材や自然の木材などを使って制作を行いました。
1967年に第三次中東戦争が勃発すると、そこで国の境界線が変わったことに興味を抱き、これが一連の代表作「マッパ」の制作につながります。世界地図上に各国の国旗を重ねて刺繍していくこの作品は、20年にわたり150作以上が制作され、時を追うごとに変化していく国家と国境を描き出しています。これらの作品にはアフガニスタンとパキスタンの職人が協力しており、その職人たちが織った「マッパ」には、平和の日を待ち望んだ反戦の世界地図の意味も込められています。活発に活動を続けながらも若くして亡くなってしまいますが、「思索の人」と言われたボエッティの思想は後進に影響を与え、今も重要な芸術家として高く評価されています。
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http://www.fondazioneboetti.it/index.html