アルフレッド・アイゼンスタット
Alfred Eisenstaedt
1898年−1995年
アルフレッド・アイゼンスタットは1898年、ドイツ領西プロイセンに生まれたアメリカの写真家、フォトジャーナリストです。第二次大戦前のドイツで熱心なアマチュア写真家となり、1929年にプロに転向してドイツの活気あるフォトジャーナリズムの世界へ加わりました。1935年にアメリカへ移住するまで、アイゼンスタットはアドルフ・ヒトラーの台頭や、イタリア侵攻直前のエチオピアを撮影し、その作品はヨーロッパの多くの写真雑誌に掲載されていました。渡米後は当時新刊された「ライフ」誌の初代フォトグラファーのひとりとして活躍。後に「ライフ」を代表する写真家となり、最終的には90枚の表紙写真と2500点以上のフォトエッセイが掲載されました。最も有名な写真は、ニューヨークのタイムズスクエアで行われた対日勝戦記念日に見ず知らずの女性に抱きついてキスをする海軍の水平の姿を収めた「V-Jデイ・イン・タイムズ・スクエア」で、撮影の数日後にタイム誌に掲載されました。
当時、多くの報道写真家がフラッシュを搭載した4″×5 “プレスカメラを使用する中、「よりスピードと柔軟性を与えてくれる」と小型の手持ち式ライカを好み、自然光を巧みに利用して印象に残る作品の数々を撮影してきました。また、有名人を撮影する際、より自然なポーズや表情を引き出すのに小型カメラが一役買っていたといいます。アイゼンスタットには、ニュースで扱われる重要人物の記憶に残る一枚を撮る能力があるとされ、ある歴史家は、「彼の写真には力と象徴的な共鳴があり、それが彼を『ライフ』の最高の写真家の一人にした」と語っています。