アルマンド・マーロッコは1939年、イタリア南部・ガラティーナに生まれたアーティストです。マーロッコの生まれ持っての芸術的気質を見抜いた両親は、幼い頃から彼を錫細工の工房や石切職人の元へとつれて行きました。素材を扱うことに長けていただけでなく絵画にも並々ならぬ才能があったことから、マーロッコはガラティーナの国立芸術院に入学し、そこで彫刻など初めての作品を制作しました。卒業後は職人の工房で見習いとしてキャリアをスタートさせ、そこでの手仕事や様々な素材に魅了されていきました。

1950年代後半～60年代前半にかけて、Bianco Mediterraneo（白い地中海）」というシリーズを展開しました。これは木材や白い段ボール、キャンバスなどシンプルな素材を、それぞれの持つ役割に特別な注意を払いつつ組み合わせて作り上げた非公式の作品です。この作品は1962年のミラノへの移住後、プログラムやキネティックアートの分野での研究に効果的に反映されました。そもそもミラノへの移住は友人であるルーチョ・フォンタナの助言により実現したものですが、これはマーロッコにとって芸術家としての転機となりました。その研究が功を奏し、1976年にはモディリアーナのIX Silvestro Lega賞の受賞に至りました。

80年代に入ると、素材の回収といった原初的な関心がますます高まるとともに、空間や環境に配慮したインスタレーションへの関心も高まってきました。2000年以降もビエンナーレへの出品や展覧会の開催など、イタリア国内を中心に活動を続けています。

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