アントニオ・カルデラーラ
Antonio Calderara
1903年−1978年
アントニオ・カルデラーラは1903年、イタリア北部ミラノ近郊に生まれた画家です。エンジニアになるため工科大学へ進むものの方向転換し、独学で色と形の実験を重ねて芸術家として歩み出します。ジョルジュ・スーラやピエロ・デラ・フランチェスカらの具象画や光の効果に影響を受け、1929年に初の個展を開いた頃には主に風景画を描いていました。1934年には、前年に移り住んだオルタ湖の温かくオパール色に輝く光がお気に入りの被写体となり、「La finestra」などの作品を発表します。1940年代の作品は肖像画、風景画、静物画など被写体が霧のような光に包まれ、ほっこりとした繊細なタッチで描かれるようになります。
1950年代半ばになると具象的な絵画から離れ、より幾何学的なアプローチを取り始め抽象度を高めていきます。ピエト・モンドリアンやヨーゼフ・アルバースの作品を手本に、「混沌とした状態から物事を引き抜き、鋭さと秩序を与えたい」との思いから、シンプルなフォルムや淡い色の平面的な四角形を画面に並べ、絵画のスケールと構成要素とを根本的に減らしていきました。晩年は水彩画に注力し、1978年に亡くなるまで透明感があり完璧なまでの繊細さをも持つ作品を発表しました。
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http://www.fondazionecalderara.it/