アントニー・ミカレフ
Antony Micallef
1975年−
1975年、イギリス・スウィンドンに生まれたアントニー・ミカレフは、今日の現代美術界において最も優れた作家の一人として広く認められている人物です。社会的批判や自己分析に基づいて表現主義的な絵画を描く伝統的なアーティストであり、その作品は「クリティカル・ポップ」と称され、消費社会の暗部や人間の条件たるものを露呈させています。
重厚な絵具でレリーフのような表面を作り、抽象的な筆致のベールで被写体の顔を覆い隠して、淡い背景の前に具象の塊を描くその作風は、フランシス・ベーコンやルシアン・フロイドを彷彿とさせるものです。絵具をスクレーパーやパレットナイフなどを使って極限まで盛り上げたインパスト技法を用い、絵画と彫刻の境を曖昧にし、文字通り絵具をねじり、描かれた人物を歪ませ、自ら呼吸するような体現を目指しています。中性的な色使いと人体の描写は、ポップカルチャーを超えて文化的な構造の下で機能している多くのものを表面化させています。その作品は消費主義と我々との二律背反の関係を問うもので、多国籍ブランドを軽蔑しながらも、それらに誘惑されることを許していることを問いかけています。また、相反する2つの要素を組み合わせることで、魅力的な化学反応を起こすこともしばしばです。
ミカレフはこれまでに香港、ポーランド、アメリカをはじめ各国でグループ展を開催しており、その作品は世界中のコレクションに収められています。
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https://antonymicallef.com/