アンドリュー・ムーアはデトロイトやキューバ、ロシアなどの廃墟を大判のカラー写真で撮影することで知られるアメリカの現代写真家です。自然や建築物の景観に及ぼす時間の影響を記録した、通常は何年もかけて撮影される写真シリーズで広く評価されています。
「写真家であることの醍醐味のひとつは、探偵とスパイの両方を演じる機会があることだと 認めざるを得ません」
ムーアは1957年コネチカット州オールドグリニッジで生まれ、幼い頃から両親に写真への興味を育まれてきました。プリンストン大学に進学し、ジョエル・マイヤーウィッツなどの写真家の下で学びました。1979年に学校を卒業後ニューオリンズに移り、ほうき工場や棺桶大工の店など、消えゆく街の産業にカメラを向けました。1981年にニューヨークに戻ったムーアは、取り壊しや都市開発が進む街を撮影したシリーズを制作しました。また監督業にも進出し、映画『How to Draw Bunny』を制作しました。この作品はプレミア上映された2002年のサンダンス・フェスティバルで審査員特別賞を受賞しました。
2002年にはアーティスト、レイ・ジョンソンの生と死を描いたドキュメンタリー映画『How to Draw Bunny: A Ray Johnson Portrait』を制作し高い評価を得ています。ベストセラーとなった彼の作品集『Detroit Disassembled』には詩人フィリップ・レヴィンのエッセイが収録されており、同タイトルの展覧会はアクロン美術館を皮切りに、クイーンズ美術館、グランド・ラピッズ美術館、ワシントンDCのナショナル・ビルディング・ミュージアムに巡回しました。
ムーアは2001年から2010年までプリンストン大学のビジュアル・アーツ・プログラムで写真の講師を務め、現在はニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツのMFA 写真/映像と関連メディアのプログラムで教鞭を執っています。彼は2014年にジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団のフェローシップを受賞しています。
現在ムーアはニューヨークを拠点に活動しています。彼の作品はロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館、サンフランシスコ近代美術館、イェール大学アート・ギャラリー、ヒューストン美術館、スミソニアン・アメリカン・アート・ミュージアム、ニューヨークのメトロポリタン美術館、米国議会図書館など 多くの機関に所蔵されています。
▼公式サイトはこちらから
https://www.andrewlmoore.com/