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ARTIST/ART

アンドレ・ヴィラール
André Villers
1930年―2016年

アンドレ・ヴィラールはフランスの写真家です。絵画、ドローイング、彫刻に限られると考えられていたキュビズムの誕生から50年後、パブロ・ピカソはヴィラールとのコラボレーションにより このジャンルを復活させ、写真の中にキュビズムというジャンルを生み出しました。

「私は彼の作品で遊び始めました。
    私は作品をパズルカットし、きれいなシートの上にピースを置いたのです。
    その結果、ピカソは深刻な空気に包まれました。

     “君は私を理解しているようだ”」― アンドレ・ヴィラール

ヴィラールは1930年フランスのボークールに生まれました。1947年に骨の結核を患い、ヴァロリスの療養所に入院し8年間を過ごしました。この間に写真に出会い1952年に初めて暗室で実験を行い、ヴァロリスの住民の写真を撮りました。そして1953年にヴァロリスでパブロ・ピカソと出会い、彼からローライフレックスをプレゼントされ、これが偉大な友情の始まりとなったのです。
これを機にヴィラールの ピカソの人生、作品、スタジオを記録するという生涯にわたるプロジェクトが始まりました。ヴィラールはピカソのポートレートを数多く制作し、二人の関係は写真の実験に基づいた何百ものイメージを共に制作するまでに発展しました。
ピカソの他にもヴィラールは1950年代以降、フェルナン・レジェやアレクサンダー・カルダー、ジャック・プレヴェール、アルベルト・マニェッリ、ジャン・アルプ、ル・コルビュジエ、サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロ、マルク・シャガール、マックス・エルンスト、ジャン・コクトー、フェデリコ・フェリーニなど多くの芸術的モニュメントをそのレンズに収めてゆきました。

1970年には 彼はカメラを使わずに写真を制作するという新しい方法を模索し始め、トレーシングペーパーの断片からネガを作りました。そしてこのシリーズは展示され、作家ミシェル・ビュトールが文章を書いた本『Pliages d’Ombres(Folding Shadows)』が出版されました。1980年代には 厚紙に描いた絵画作品『The Photographers』をパリ、東京、ニューヨークで展示し、これらはデビッド・ダグラス・ダンカンにより『A Secret Garden』という本にまとめられました。1984年にはヴィラールは自身の人生、芸術的プロセス、ピカソとの関係を綴った『Photobiographie』を発表し「Les Cahiers du Sud」の特別号に掲載されました。

彼の作品はヨーロッパやアメリカ各地の美術館のパーマネントコレクションに含まれています。フランス、アルプ・マリティーム地方のムージャン市は彼の功績を称え、彼の名前を冠した写真博物館を設立しました。2006年ヴィラールは芸術文化勲章シュヴァリエを授与されました。

アンドレ・ヴィラールは2016年に亡くなりました。

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