アンリ・ミショー
Henri Michaux
1899年-1984年
アンリ・ミショーはベルギー、生まれの作家、詩人であり画家です。ミショーはその内面的世界から湧出する謎に満ちた幻像を掬い上げ、描き、詩を書き、LSDやサボテンから抽出される幻覚剤のメスカリンを実験的に服用し イメージの発生する地点を探求するなど、極めて独創的な創作活動を展開したことでも知られています。
ブリュッセル自由大学などで学んだ後 1920年に水夫となり南米やアジア、世界各地を旅しました。ベルギーに帰国後ロートレアモン伯爵らから刺激を受け本格的に文学に取り組み始め、作品を発表するようになりました。1924年にはパリに移住。文学に取り組んでいたミショーは はじめ絵画に対しては「忌まわしい現実の反復」だとして嫌悪を抱いていましたが、1925年にパウル・クレーやマックス・エルンストらの作品に触れ絵画の可能性に目覚め、描くことにも意欲を向けてゆきました。
ミショーは生涯を通じて、内なる宇宙を探求し続けました。
1959年、1964年にはドイツのドクメンタに出展、1960年にはヴェネチア・ビエンナーレではエイナウディ賞を受賞しました。彼の作品はアメリカのシカゴ美術館やMOMA(ニューヨーク近代美術館)、ロンドンのテートギャラリーなど、世界の主要な美術館に収蔵されています。