イワン・チュイコフ
Ivan Chuikov
1935年−2020年
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イワン・チュイコフは1935年、ロシア・モスクワに生まれた芸術家です。スリコフ芸術研究所に学び、国際的なアートシーンにおけるソビエトのノンコンフォーミスト・アート(非体制順応アート)の最も重要な人物のひとりとして知られる人物です。幻想と現実に直面し、さまざまな芸術スタイル、言語、記号の断片を組み合わせたチュイコフの作品の美学は、シンプルであることへの願望、デフォルメの欠如、テクスチャーの単純化、決まった配色など、いつくかの意図的な制限によって定義されています。また対話的で脱構築的な性質を持っているのも特徴的です。
作品を象徴するモチーフである『窓』は1967年に初めて作中に登場し、以降80点以上の作品を含む最も大規模なシリーズへと発展していきました。チュイコフは国内外で積極的に展覧会を行うとともに1977年にはソ連代表としてヴェネツィア・ビエンナーレに、1979年にはポンピドゥ・センターでの展覧会にも参加し、2020年にその生涯に幕を下ろしました。