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ARTIST/ART

イワン・ヌール
Ichwan Noor
1963年―

イワン・ヌールは人間や動物、テクノロジーを組み合わせた大規模な彫刻作品で知られるインドネシアの彫刻家/アーティストです。ブロンズやステンレススチール、アルミニウム、様々な中古素材、樹脂などを主な素材として制作されるこれらの作品は 人間や動物の形が技術的な属性に支えられたり、融合したりするという、人工物と有機物の組み合わせに対するヌールの関心を反映しています。

彼の代表作『Beetle sphere』は1953年に発売されたフォルクスワーゲンのビートルを さまざまな新しい形に再構築したもので、2011年から始めた継続的なシリーズの一環として制作されています。この車のオリジナルデザインは、アドルフ・ヒトラーが描いたスケッチをもとに、1934年にフェルディナント・ポルシェの自動車デザイン会社が製作したと言われています。そしてこの量産車はその後41年間、マイナーチェンジを繰り返しながら製造されました。『Beetle sphere』はこの車の象徴的なカーブを極限まで追求したものであり、ビートルの政治的な歴史と特徴的なデザインに呼応し、20世紀の古典的なデザインを、本物の部品と加工された部品で構成された球体に歪ませているのです。

「象徴的な形を劇的に変化させることで、観客に別の見方をしてもらいたい」

「人間と密接な関係にあるものには、必ず人間の痕跡があります。
    “オートマティズム”という意味ではなく、単に意識の投影という意味です。それは 単に思い出の品のように、懐かしさから物を愛でるということではないと思います。
    もしかしたら、そこにはアニミズム的な信仰があるのかもしれません。」

このシリーズについて、ヌールはこのように語っています。ヌールはジョグジャカルタにあるインドネシア芸術大学(ISI)の視覚芸術学部を卒業後、ジョグジャカルタ大学で美術の教授を務めています。彼の作品はインドネシアのほか、シンガポール、マレーシア、香港、トルコ、アラブ首長国連邦でも展示されており、インドネシアのMACAN美術館、オーストラリアのビクトリア国立美術館、ドイツのトニー・クラッグ彫刻公園や、中国、トルコ、アメリカ、スウェーデン、インドなどの多くの機関に収蔵されています。

ヌールは現在、ジャカルタを拠点に活動しています。

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