ウィリアム・アナスタシ
William Anastasi
1933年−
ウィリアム・アナスタシは1933年、アメリカ・ペンシルヴェニア州生まれのアーティストです。コンセプチュアルアートとミニマルアートのパイオニアとされている一方、「同世代の作家の間で最も過小評価されているコンセプチュアルアーティスト」としても知られています。
マルセル・デュシャンの理論的なアプローチよる芸術制作に心を奪われ、ニューヨークに移住した1960年初頭から制作を始めました。意識的に作られた芸術的な美しさを持つ作品でなく、物理的に制作される作品に目を向け、1963年から何十年にもわたり「サブウェイ・ドローイング」を制作してきました。これは地下鉄の車内で膝の上に紙を置き、電車の揺れを利用して物理的に絵を描くというものです。また折りたたんだ紙と鉛筆の芯とをポケットに入れ、体の動きによって描かれるポケット・ドローイングや、歩行中の動きによって描かれるウォーキング・ドローイングなども制作しています。アナスタシは世界各国で展覧会を開いているほか、その作品はMoMAやグッゲンハイム美術館など多くの美術館に所蔵されています。