1904年、オランダ生まれのウィレム・デ・クーニングは、20世紀美術史上重要な位置を占める画家です。オランダの保守的な空気に違和感を持ち、22歳でアメリカへ密航。以降アメリカを拠点に創作を始めます。しばらくは苦しい日々が続きますが、1940年代にジャクソン・ポロック、マーク・ロスコ、バーネット・ニューマンなど若手の画家たちが牽引する抽象表現主義のムーブメントが生まれると、世界各国から次々とアーティストが押し寄せ、デ・クーニングもその流れに乗って頭角を現していきます。

代表的な作品である女性シリーズは1950年から始まり、シリーズの頂点となる「女性6」は1953年に描かれました。女性シリーズはピカソの後期作品の影響が色濃く、攻撃的に鋭く身体造形を部分的に破壊しています。またそれらには欲望、欲求不満、内面的な葛藤、喜びなどが反映されており、デ・クーニングの芸術キャリアだけでなく人生において最も重要なシンボルであると言えるでしょう。

 

▼公式サイトはこちらから
http://www.willem-de-kooning.org/