ウルス・フィッシャーは1973年にスイスに生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動する新進気鋭の現代美術家です。謙虚さとドラマティックさを兼ね備えた、遊び心のあるシュルレアリスムのようなアプローチが特徴で、日常的なイメージをユニークで意外性のある力強い作品に変化させています。ドローイング、写真、彫刻、大規模なインスタレーションなど、カテゴリーにとらわれることなく、素材、ジャンル、モチーフなどを自由自在に操り、制作し、展示し、鑑賞することが意味するところの限界を探っています。また常に違う角度から物事を見ることを心がけ、作品を通して意識の改革も追求しています。

ギャラリーの壁をぶち抜いてみたり、床を墓穴のように掘り起こしてみたりと、大規模で固定概念を覆すような展示には驚かされるばかりですが、中でも等身大の蝋人形に火を灯し、ゆっくりとゆっくりと溶けていく過程を収めた映像や、その一部を溶かした状態で展示された蝋人形は、非常にインパクトの強い作品となっています。また溶けた蝋はスイスの鋳造所に戻して再鋳造され、次のインスタレーションのために美術館に戻されるという、サステイナブルな手法もとっています。作品はどれも巨大ながらしばしばオークションも賑わせており、2011年の「無題（ランプ・ベア）」は重さ15.7トンあるにも関わらず、680万ドルで落札されました。

 

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http://www.ursfischer.com/