エドゥアルド・シュタインバーグは1937年、ロシア（当時のソ連）・モスクワで、詩人であり芸術家である父と、美術評論家で作家である母の元に生まれた画家です。専門的な芸術教育を受けていないにもかかわらず、両親の仕事を手伝うとともに、当時住んでいたタルーサで静物画や肖像画、風景画などを模写して独学で絵画を習得したといいます。

1962年にモスクワへ移ると、社会主義リアリズムのスタイルを否定し、ロシアの非適合主義運動に積極的に参加しました。1970年代に入ってからは、プラスチックの構造を精神的な衝動の結果として捉える独自の幾何学的抽象表現「メタ・ジオメトリー」の制作をはじめました。後期にはデ・ステイルムーヴメントの影響を強く受け、色彩を大胆に使った作品が多くみられます。

シュタインバーグはロシア芸術アカデミーの名誉会長であり、2008年にはロシア連邦友好勲章（oreder of friendship)を受章しています。シュタインバーグの作品はサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館をはじめ、世界各国の美術館で広く所蔵されています。