エフゲニー・チュバロフはロシアの画家であり彫刻家、グラフィックアーティストです。
イリヤ・カバコフやアンドレイ・モナストゥイルスキー、エリック・ブラトフといったソビエト芸術を代表する画家たちとともに独自のスタイルで活動し、新しい時代の哲学的アイデアを絵画の中に具現化しました。彼は、自分を取り巻く世界のエネルギーを視覚的に識別し、抽象的なシンボルをコンセプチュアル・アートのエネルギーの中で置き換えられた反射のイメージに変換しました。またチュバロフは 自らをロシアの「古風な」文化の継承者と考え、その手法をカジミール・マレーヴィチの「黒い四角」の思想と重ね合わせていました。
チュバロフは1934年にバシキリア(ソ連)のローワー・ボビノ村で生まれました。父親の影響で幼いころから絵を描くことが好きでした。芸術を学ぶため1951年にズラトウースト市に移り、金属彫刻専門学校でジュエリーデザインと武器彫刻を学びました。1959年チュバロフはサラトフに移り、その後ザゴルスク(セルギエフ・ポサド)に移り、彫刻家ドミトリー・ツァプリンの修復スタジオで働きました。この経験はチュバロフの初期の作品に影響を与え、動物の姿を描くことに興味を抱かせ、形を単純化し、対象物の形を一般化する傾向をもたらしました。1963年にモスクワで開催された若手芸術家の展覧会で、彼の作品 「March(行進)」と「Factory Landscape(工場の風景)」が初公開されました。1970年から1980年にかけて、チュバロフは 紙の上に力強く多面的なインクで構成したシリーズに取り組み、1988年には 当初の表現力豊かな具象から、完全な抽象へと移行しました。チュバロフに国際的な名声をもたらしたのは大規模な抽象作品です。彼の記念碑的な作品はヨーロッパやアメリカの著名な会場で展示され、その後ロシアでも展示されました。
2012年チュバロフはロシアのムイチシチで亡くなりました。彼の作品は モスクワのプーシキン美術館、国立現代美術センター、トレチャコフ美術館、アメリカ・ニュージャージー州のラトガース大学博物館などに所蔵されています。
▼エフゲニー・チュバロフ財団 公式サイトはこちらから
https://chubarov.art/