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ARTIST/ART

エミール・ノルデ
Emil Nolde
1867年-1956年

エミール・ノルデはヴィヴィッドで豊かな色彩と粗削りな筆致で 花や風景、土俗的なモチーフを描いた絵画や版画で知られるドイツ表現主義の画家です。本名はエミール・ハンセン(Emil Hansen)、ノルデは出身地の地名です。

ノルデはドイツとデンマークの国境近くの町ノルデに生まれ豊かな自然に恵まれた海沿いの農場で育ちました。17歳で家具工房の見習いとして働き、工芸学校にも通いました。その後絵を描き始め、1899年にパリへ移りアカデミー・ジュリアンで学び始めます。彼はヴィンセント・ヴァン・ゴッホやポール・ゴーギャンなどの作品に魅了され大きな影響を受けました。1906年に初個展を開催、この時ノルデの作品に感動したエルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーから“ブリュッケ(Die Brücke)”の一員になるよう誘いを受けます。一年ほど所属しましたが、元来一人を好んだノルデはその後脱退し 独自の道を歩みました。

第二次世界大戦中、ノルデはまだ弱小政党であったナチスの政策に共感し1934年にはナチ党に入党していました。しかしその後ヒトラー率いるナチ党が政権を獲得すると、近代芸術は「退廃した芸術」として非難され、帝国造形芸術院から除名され、制作活動を禁じられます。1095 点もの作品を没収され、その大半は行方不明となってしまいました。迫害を受けたノルデはこの時代、材料を買えず取り締まりのため油絵具も使用できず、ひそかに小さな紙の端切れに水彩画を描き続けました。数百枚にも及んだこれらの絵をノルデは「描かれざる絵」や「絵画スケッチ」と呼び、戦後これらを改めて大きく油絵に描き直す制作活動をつづけました。故郷を愛したノルデは生地近くのゼービュルに自ら設計し建てた家で生涯暮らしました。現在この邸宅はノルデ美術館として、彼の作品と共に公開されています。

エミール・ノルデの作品は現在、シカゴ美術館、ニューヨーク近代美術館、バーゼル美術館、ロサンゼルス郡美術館、ウィーンのアルベルティーナのコレクションに収蔵されています

▼ゼービュル-ノルデ美術館/ノルデ財団の公式サイトはこちらから
https://www.nolde-stiftung.de/en/

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