オマー・ラヨ
OMAR RAYO
1928年−2010年
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オマー・ラヨは1928年、コロンビア・ロルダニージョに生まれたアーティストです。画家、彫刻家、風刺画家、造形作家と多くの顔を持つ、コロンビアを代表する作家のひとりとして知られています。中でも得意としたのが黒、白、赤、黄色を基調とした幾何学模様の抽象画。オプ・アートの先駆者のひとりでもあり、幾何学的な芸術が過去のものであると同時に未来のものでもあることを示しました。このスタイルのきっかけとなったのは、ニューヨークに移り住んだ後に南米を旅したこと。旅先でコロンブス以前の民衆芸術に影響を受け、縞模様の帯や菱形、円などの幾何学的な形を使い平面でありながら多次元的な印象を与えるスタイルでの制作を始めました。
形を歪めたり重ねたりすることで振動する光やボリューム感のある形を表現した不可思議な作品は、どことなく日本の折り紙や寄木細工をも連想させる、独特な世界へと誘い込む魅力をたたえています。ラヨはコロンビアの国民的アーティストであるととももに、国際的にも活躍した巨匠でもありました。