カール・シュミット=ロットルフ
Karl Schmidt-Rottluff
1884年−1976年
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カール・シュミット=ロットルフは、1884年ドイツ・ザクセン州出身の画家、版画家です。エーリッヒ・ケッヘルやエルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーらとドイツ表現主義グループ「ブリュッケ」を創立したことでも知られています。1910年の作品「Manor House in Dangast(ダンガストの邸宅)」に見られるように、初期のころは新印象派と野獣派の影響を受けた濃い色使いの風景画を描いていましたが、後にはより還元的で構築されたスタイルに変わっていきます。またブリュッケ内ではリトグラフを普及させ、はっきりとしたコントラストで角ばった印象のロットルフの作風は、後の作画にも活かされています。
木版画では表面を強調するために木目を利用することで知られ、1918年に制作された「Holzeschnitte」シリーズは、傑作とされています。1933年、ナチが政権を掌握すると作品は押収され、制作することすら禁止されてしまいますが、ナチの崩壊後にロットルフの作品は再評価され、1946年にはベルリン美術アカデミーの教授となり教壇にも立っています。