クリスチャン・ボルタンスキー
Christian Boltanski
1944年−2021年
クリスチャン・ボルタンスキーは1944年にパリで生まれた、現代のフランスを代表するアーティストです。制作活動を始めた頃から宗教、生と死、個人の記憶や存在などを主なテーマとし、命の儚さを、そして人は皆かけがえのない存在であると語りかけ、誰もが自分自身との置き換えが可能な普遍的なものを主体に制作を続けています。表現方法は絵画、彫刻、映画、インスタレーションなど多岐にわたり、1968年にパリのラヌラグ劇場で初の個展を開いた際には、短編映画と彫刻作品、写真を展示しました。
1970年頃からは国際的な活動を始め、カッセルのドグメンタやヴェネツィア・ビエンナーレなどにも出展します。1985年に制作を開始した「モニュメント」シリーズは、ピントをぼかした子ども達の肖像写真を缶の上に飾り小さな電球で照らす、祭壇を思わせる作品で、ボルタンスキーの代表作として挙げられています。日本とも縁が深く、2000年には瀬戸内国際芸術祭に参加、2006年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。近年では人々が語り継ぐことをテーマとし、形として残らない作品にも取り組んでいます。