クリストファー・ウールは 白い背景に太字のステンシルで刷られたテキストや抽象的なブラッシュワークの対比が印象的な作品で知られるアメリカ人アーティストです。
「絵画では 作品自体のプロセスからインスピレーションが湧くのです」
「音楽のように、作品を作ることは感情的な経験です。それは視覚的言語であり、言葉に置き換えることはほとんど不可能です」
自らの作品を振り返ったウールはこう語っています。
ウールはマサチューセッツ州ボストンで生まれました。サラ・ローレンス大学で短期間学んだ後ニューヨークスタジオスクールに入学しました。その後スクールを中退しアンダーグラウンド映画と音楽の世界に没頭しました。1980年から4年間、彫刻家ジョエル・シャピロのアシスタントを経て、その後 ジャン=ミシェル・バスキア、ジュリアン・シュナーベルやシンディ・シャーマンらと共に80年代ニューヨーク・アートシーンで活躍し始めました。ウールは、作品にグラフィックテクニックを取り入れ、のちにシルクスクリーンやペイントローラーなども取り入れました。
1980年代から2000年代初頭にかけて制作されたウールのワード・ペインティングは、アート市場で最も人気のある作品です。2012年2月ロンドン・クリスティーズでは単語FOOLを描いた『無題』(1990)が490万ポンド(770万ドル)で販売されました。2013年11月にはニューヨーク・クリスティーズにて『Apocalypse Now』(1988)が、クライアントに代わりChristophe van de Wegheによって2640万ドルで購入されました。モニュメンタルな作品『UNTITLED (RIOT)』(1990)は、2015年ニューヨーク・サザビーズにて2990万ドルで販売されました。またこの同月、紙にグラファイトとアルキド樹脂で’RUN DOG EAT DOG RUN’という言葉を描いた『無題』(1990)が アーティストの紙による作品としては記録となる240万ドルを実現しました。
絵画作品で知られるウールですが、2012年にはバンジャマン・ミルピエ(Benjamin Millepied)率いるLAダンスプロジェクトの舞台のセットデザインなども手掛けています。彼の作品はロサンゼルス現代美術館、ドイツ・ケルンのルートヴィヒ美術館、ニューヨークのグッゲンハイム美術館など世界の様々な機関で展示されています。
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http://wool735.com/