クレオン・ピーターソンは1973年、アメリカ・ワシントン州シアトルに生まれたアーティストです。子供の頃複雑な家庭環境で育ち、また喘息で入退院を繰り返すことが多かったというピーターソンが打ち込んでいたのがドローイング。その後麻薬中毒になり、刑務所と更生施設とを行ったり来たりという生活を送りながらも、カリフォルニア州パサデナのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインにて美術学士号を、ミシガン州デトロイトのクランブルック美術大学にて美術学博士号を取得。卒業後、あるギャラリーのために請け負ったデザインの仕事が初の個展の開催に至りました。その際作品を買ってくれた人の中にいたのがアート・ディーラーであるジェフリー・ダイチ。彼が世界各国のアートフェアに作品を持ち込んでくれたことで、本格的に画家として活動を始めたといいます。

ベージュや黒、赤、白を基調とし、落ち着いたトーンで統一されたピーターソンの作品には、変動する現代社会の構造の中で、権力と服従との間で起こる闘争を象徴する争う人々が描かれており、この背景には自身の若かりし頃の荒れた日々の記憶が大きく影響しているといいます。また、その象徴的な構図はレオン・ゴラブやポール・マッカーシーなどのファインアートに加え、ギリシャの陶器やグラフィックデザインそして政治的なプロパガンダのポスターなどの美学にも大きな影響を受けています。

2014年にはアート・バーゼル・マイアミの会期中に、シェパード・フェアリーと壁画のコラボレーションを行い、それぞれのシグネチャーであるフェアリーの花模様とピーターソンの人物画とを組み合わせ、権力と名誉をテーマに4つのビルの壁を彩りました。ピーターソンの作品は、各国のファッション誌や音楽雑誌などさまざまなジャンルの媒体でフィーチャーされており、またコレクターも世界中に点在しています。

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http://www.cleonpeterson.com/