グレッグ・ハバニーは1976年、アメリカ・コネティカット州に生まれたアーティストです。印象派の画家である祖母と、フォークアーティストである父のもと、幼い頃から芸術に触れそのプロセスに対する感性に磨きをかけてきました。サクレッドハート大学でメディア研究の修士号を取得し、その後ニューヨークへ移住。まずは演技や映画の世界でキャリアを積むことから始めたハバニーは、現在も同地を拠点に活動を続けています。

ハバニーの作品は、個人的な記憶と集団的な記憶との交わりをテーマにしており、エピソード的な物語を偽りなく混沌の中に織り込んでいます。ざらついていて、自然発生的で、強迫的で、かつ漠然とした雰囲気を持つその作品は、フィンガーペインティングやフットプリント、さらにはスタジオに散らばったおもちゃをも取り込み、ありきたりの制作プロセスを排除した独自のスタイルで作りあげられます。奇抜な素材や古い作品を切ったり、削ったり、燃やして液体にしたりし、新たな形にすることでハバニーは、自らの表現の核ともなる荒々しさや比喩的な輪廻を演出するのです。

科学技術の発達と大量生産が進む現代社会においてハバニーの技術は、プロセスという芸術の物理的な一面を維持しつつ、コブラやニューヨークスクールなどのムーブメントのプリミティブな造形に呼応したものとなっています。ハバニーはアメリカ国内だけでなく海外にも活動の幅を広げ、これまでにヨーロッパや日本のギャラリーでも展示を行っています。

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