コンスタンティン・ブランクーシはルーマニア生まれ、フランスでキャリアを気づいた彫刻家です。モダニズムの先駆者と考えられているブランクーシは 20世紀最も影響力のある彫刻家の一人であり、現代彫刻の父とも呼ばれています。
ブランクーシはルーマニアのクラヨヴァの美術工芸学校で学んだ後、ブカレストの国立美術学校で学びました。その後しばらくは故郷で大工仕事に従事していましたが、1903年ミュンヘンに行き、1904年にパリに移りエコール・デ・ボザールに入学しました。アントナン・メルシエのアトリエで二年間働き、その後 近代彫刻の父と称されるオーギュスト・ロダンのアトリエに招かれます。
ブランクーシはロダンに憧れていたものの『大樹の陰では何も成長できない』と言い、わずか一カ月後にロダンのアトリエを去りました。その後 ブランクーシは独自の美学を追求し革新的なスタイルを構築してゆきました。この頃、アンリ・ルソーやフェルナン・レジェ、マルセル・デュシャンやモディリアーニ、マン・レイらと親交を結び、マン・レイには写真の手ほどきを受け 自身の作品やアトリエの風景を撮影するなどしました。そしてブランクーシはパリやブカレスト、ニューヨークで作品を展示し始め、1913年写真家でありディーラーでもあったアルフレッド・スティーグリッツの291ギャラリーで開催されたアーモリー・ショー(Armory Show)で評判となり、デビューを果たしました。
ブランクーシの代表的な作品には、『接吻』、『空間の鳥(Bird in Space)』『無限柱(Endless Column)』(終わることなき感謝の柱、英雄たちの記念碑)、『眠れるミューズ(Sleeping Muse)』などがあります。人生の後半にも、ブランクーシはヨーロッパやインド、アジアを旅してパリに戻り その人生の幕を閉じるまで制作を続けました。
ブランクーシの作品は、ニューヨークのソロモンR.グッゲンハイム美術館、メトロポリタン美術館、シカゴ美術館、ロンドンのテートモダン、パリのポンピドゥーセンター、リオデジャネイロ近代美術館など、世界中の主要な機関にコレクション収蔵されています。 高い天井、自然光が降りそそぎ なだらかで有機的なフォルムの作品たちがところ狭しと並び、どこを切り取っても絵になるような美しいブランクーシのアトリエは、現在パリ・ポンピドゥーセンターの横に移築され「アトリエ・ブランクーシ」として公開されています。
▼ポンピドゥーセンターのアトリエ・ブランクーシに関するサイトはこちらから
https://www.centrepompidou.fr/en/Collections/Brancusi-s-Studio