コンスタン・ペルメーク
Constant Permeke
1886年−1952年
コンスタン・ペルメークは1886年、ベルギー・アントワープで風景画家の息子として生まれた画家・彫刻家で、フランドル表現主義の代表的な人物とされています。ブルージュ・アカデミーとゲント・アカデミーに学び、この頃フリッツ・ファン・デン・ベルヘやギュスターフ・デ・シュメトらと親交を深めました。この時期の作品は重厚な筆致を特徴とし、淡い色調と冷厳なフォルムによって表現力を高めるものでした。
第一次世界大戦で従軍すると重傷を負い、イギリスへと疎開。その頃は主に色鮮やかなイギリスの風景画を描いていました。終戦後ベルギーへ戻り、そこで労働者の厳しい現実を目の当たりにすると、過酷な漁師の生活などを描き、作品は再び暗い雰囲気に変わっていきました。1926年にスイスの山間部へ移住し、作品の主題を山の風景や農村とそこに暮らす人々へと変え、1930年台は代表作となる作品をいくつも完成させたとともに、1937年からは彫刻の制作も始めました。
第2次世界大戦中、ドイツ占領下にあったベルギーのアーティスト達は『退廃的な芸術』とみなされたのものを描くことが禁じられるという苦難の時期もありましたが、戦後には女性のヌードの彫刻作品を、また晩年にはまろやかなタッチのデッサンや、洗練された色彩の作品を制作するようになりました。ペルメークは国際的な知名度ではルネ・マグリッドやジェームズ・アンソールなどには及ばないものの、ベルギー国内では大変愛された存在で、通貨がユーロに変わる前、1000フラン紙幣の肖像となっています。ペルメークの作品はブリュッセルのベルギー王立美術館やロンドンのテートギャラリーなどに収蔵されています。